特集記事「注目!行動ターゲティング広告」 ㈱マイクロアド 事業戦略室 野口航
技術評論社『Web Site Expert』#20に寄稿
では、SEM戦略全体の中で、サーチリターゲティングはどう活かして行けば良いでしょうか。一般的に、ユーザーの検索ワードは抽象的なビッグワードから具体的なスモールワードへと変化して行きます。例えば、「パソコン」→「パソコン 地デジ」→「Dell 地デジ」といったように、徐々に目的の商品へと絞られて行きます。この移り変わりの途中で脱落しないようにフォローするのがサーチリターゲティングなのです。
サーチリターゲティングにおいては、正しく訴求し正しく誘導することが重要になります。つまり、ユーザーに即したクリエイティブと、ユーザーに即したランディングページを設定することが非常に重要なのです。
ビッグワードで検索している段階では、ユーザーが何か良いものはないかと探しています。例えば「ダイエット」といったワードです。これは言わば、ウィンドウショッピングのような状態です。そのため、クリエイティブは自社の良さを売り込みます。ウィンドウショッピング中にちょっとお店に立ち寄った後、もう一度忘れないように訪れてもらうためには、多少派手な広告クリエイティブでも構いません。また、ランディングページはサイト全体が見渡せるトップページや、ユーザーが次にどう行動したら良いかがすぐにわかるキャンペーンページ(申込フォームなどがダイレクトに設置されている簡単なページ)なども良いでしょう。
ミドルワードで検索している段階では、ユーザーの欲しいものは明確化されてきています。例えば、「ダイエット 豆乳クッキー」といったワードです。クリエイティブとしては自社が競合他社よりも優れている点、違いをアピールすべきです。また、ランディングページにはカテゴリページや商品ページが適しています。選ぶポイントが明確化している「ダイエット 豆乳クッキー」のような場合は、クリエイティブでは自社の他社優位性をを徹底的に訴求し、豆乳クッキーのページへと誘導すべきでしょう。
社名やブランド名などのブランドワードで検索してきているユーザーは、もうご指名の段階です。ユーザーへは最後の一押しが必要ですので、今どれだけ安いか、今決意させる何かを訴求します。ランディングページも商品ページなどへダイレクトに誘導すべきでしょう。ここで注意しなければならないのは、ブランドワードで検索するユーザーは、単にあなたのサイトを探してきているユーザーで、潜在顧客ではない可能性もあります。このようなユーザーに対価を支払うのはもったいないので外しましょう。ユーザーの意図は、あなたのサイトの性質や組み合わされているワードで見極めることができます。
SEMでは検索結果での順位、誘導数、CPAに目がいきますが、サーチリターゲティングはユーザーの意図に強く注意を払い、サイト訪問者数からいかに数多くのコンバージョンを生み出すかが重要なのです。
また、SEMや広告、サーチリターゲティング、さらにはアクセス解析やLPOまで含め、ROIをトータルに考えなければなりません。リスティング広告単体でのCPAは低く抑えることが可能ですが、それだけでは絶対的な獲得数が増えませんし、いつかは潜在顧客を刈り取り尽くしてしまいます。トータルコストを算出し、1件あたりの真のコストをいかに低減させるかに頭をひねりましょう。
