「《貫禄がある、けど少年のような人》っていうのが第一印象だったなぁ」 と瀧本岳(現・株式会社マイクロアド取締役)は振り返る。 瀧本がはじめて渡辺に会ったのは、サイバーエージェントの中途採用面接のとき。 外資系広告代理店で、新聞や雑誌などのコミュニケーション戦略・クリエイティブ制作に約4年間携わっていた瀧本。 広告効果が数値化され分析の領域が広い“ネット広告”に興味をもち、2003年10月にサイバーエージェントに入社した。 入社後は、当時渡辺が統括していたメディアマーケティング部に配属。 インターネットメディアの仕入れ、企画や効果検証などを手がけていた。 まもなくして、そのときは訪れた。 「BC(ビーシー※BlogClickの略)やるんだけど、広告の表示方法はどんなものが良いかなぁ?」 という渡辺の軽い言葉に、 瀧本は何気なく 「こういうの、いいと思うんですよね。」 と、案を2つ3つ投げかけた。 数日後、渡辺から、 「岳、BCやらない?」 と声が掛かった。 2004年5月のことだ。 |
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BlogClickのシステムは、当時のサイバーエージェントのグループ会社に依頼することになった。 立ち上げまでの期間をなるべく短縮するため、要件定義書を作ってから開発に入るかたちではなく、 仕様を決めながら開発していくスタイルを選んだ。 初期のミーティングでコンテンツ連動のエンジン部分に話題が移ったとき、 渡辺はここがサービスのボトルネックになることに気付いた。 もともと連動サービスを行うエンジンを持っているわけではなく、 グループ会社のマッチングの仕組みはあまりにもプリミティブだったのだ。 「これは使い物にならないな……」渡辺は思った。 しかし、開発を止めるわけにはいかない。管理部分・配信部分など、必要なものは大量にある。 それを作るだけでも数ヶ月かかるだろうから、まずはこのまま開発を進めなくてはならない。 とはいえ、コンテンツ連動エンジンはこのサービスのコアとなる部分。サービス開始までに何とかするしかない。 アイデアは全く無かった。 分かっていたのは、開発を進めるしかないということだった。 |
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開発を進める一方、ブログ運営企業とのアポイント設定を進めていた。 実際BlogClickというサービスのニーズがあるのかを、直接確かめたかったのだ。 何人かの運営者と話をする中で、成功の確信が次第に強まっていった。 当時ブログサービスは倍倍ゲームのスピードでアクセス数が伸びる一方、 収益化に有効な手法が見つかっていなかった。事業者にとってBlogClickは待望の商品だったのだ。 ブログ運営企業との提携交渉は、当時広告代理店部門でメディアプランナーをしていた瀧本が行った。 ある日、ブログサービスを京都で運営している会社の社長が東京に来るという話を聞き、渡辺も同席することにした。 そこで出会ったのが、2006年の2月に東証マザーズに上場した株式会社ドリコムの社長内藤だ。 ドリコムブログへの広告掲載依頼の打ち合わせだったのだが、内藤はBlogClickの説明を聞くと 「実はコンテンツ連動に使える技術を開発しているんです」と、 おもむろにホワイトボードに大きなマス目を書いて説明を始めた。 それこそが渡辺が捜し求めていたコンテンツ連動のエンジンだったのだ。 あまりの偶然に、渡辺はドリコム社との強い運命を感じていた。 この時点で、彼らの技術を採用することに迷いはなかった。 |
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